IH 調理器の普及に伴い，使用時の騒音が人々に不快感を与えていると報告されています。また，先行研究によるとIH 調理器から発する可聴領域騒音は，商用電源に重畳したノイズが原因であることが報告されています。本研究室では，多様な鍋から発する騒音レベルの解明を進めています。昨年度は，三層SUS
鍋の鍋底径を変更した際の可聴領域騒音と鍋底径を変更した際の可聴領域騒について測定・比較・評価を行いました。その結果，電源ノイズ周波数10kHz
を重畳させた商用電源でIH 調理器を動作させ，鍋底径30cm の鍋を加熱した際，IH の駆動周波数や電源ノイズ周波数以外のスペクトルを確認しました。本研究の最終目標は，IH
調理器から発する可聴領域騒音が問題とならない条件を明らかにし，ガイドラインを策定することです。今後は，ガイドライン策定に向けて他の鍋のデータを収集すると共に振動解析によって鍋振動を詳しく調べ，重畳させた周波数以外のスペクトルが発生した原因を解明する予定です。