電磁誘導

非接触給電に関する研究

近年、電気自動車(以降EV)への技術的な取り組みが世界中でなされており、EV等への非接触給電の適用を検討した研究が進められています。しかし、移動体へ非接触給電を行う場合、移動によって給電電圧が瞬低する問題や蛇行走行による給電電力の変化があり、技術的な改善が必要です。本研究室では,蛇行走行中の非接触給電に関する検討・走行時における瞬低問題に関する検討の2テーマに関して研究しています。また,今年度よりコイル間の物質を変更した時の給電電力の変化に関したも研究をする予定です。一昨年度の研究では,送受電コイルの中心軸がずれた際における給電電圧の低下を三角コイルの採用によって軽減できることを明らかにされました。

 

昨年度の研究として以下の2点での検討を行いました。

  • 蛇行走行中の非接触給電を想定し、円形・三角形・四角形・平行四辺形のコイル形状を
    組み合わせて多角的な給電電力の測定を行いました。
  • 移動体への非接触給電における瞬低問題に対する第一義的取り組みとして、移動体への非接触給電を模擬できる装置を制作し、模擬実験を行いました。

結果

  • コイル形状を平行四辺形や四角形コイルにすると給電電力の低下を抑制でき,フェライトを用いると,給電電力を向上させることが可能であることが判明しました。
  • 受電コイルが送電コイルの同心円上にある場合と最も離れた場合を比較すると給電電力に大きな差があることを確認しました。給電電圧の瞬低を軽減するためには、①三角コイルを使用、②磁束が強め合う向きに隣接コイルを配置することで改善が可能であると判明しました。


今後の展望として、長方形コイルや平行四辺形コイルで検討を行い、移動時における瞬低問題の更なる改善を図りたいと考えています。