太陽光システム

全波整流型コッククロフト-ウォルトン回路を用いたパワーLED式人工太陽光の点灯回路に関する検討

PV(Photo-Voltaic)モジュールの室内実験では,主にメタルハライドランプやハロゲンライトなどの太陽光に波長が近似している光源が使用されています。本研究室では,従来の光源の代替としてパワーLEDの利用を考えています。しかし,一般的なスイッチング方式のLED照明回路を使用すると調光の際にスイッチング動作(e.x. PWM)を行うことから,人間には認識不可能な点滅が発生しPVモジュールの発電電圧に影響を与える懸念があります。そこで,本研究室ではコッククロフト-ウォルトン(CW:Cockcroft-Walton)回路を用いて点灯回路の検討を行っています。本回路は,高出力電圧を得られますが,出力電流が多く得られない特性があります。そこで,一昨年度は高周波化することによって改善を試みました。リップル率の低減に加え,出力電流の増加を確認しました。しかし,目的とするLED点灯のために必要な電圧は得られませんでした。昨年度は,CW回路を多段接続して出力電圧の増大を図りました。出力電圧の目標値は280Vとしました。全波整流型CW回路を多段接続した場合の出力電圧変動,およびリップル率を明らかにしました。実験結果より,全波整流型CW回路は段数を4段にしたときが高出力電圧,かつ低リップル率となり,最も良い結果が得られました。今後は,実際にパワーLEDを接続して点灯実験を行い,フリッカ等の評価を行う予定です。