近年,燃料の枯渇問題や環境問題等の観点から「再生可能エネルギー」の重要性が高まっている。本研究室では「海洋再生可能エネルギー」を中心に自然エネルギーを利用した発電方法について日夜研究を行っている。


 提案する可変ピッチガイドベーン付集風装置をマイクロ風力発電装置に取り付けた場合の特性変化について,本集風装置を用いない風車と比較し,検討する。図3に比較する2種の風力発電装置の構成を示す。一方は提案装置を付与したマイクロ風車(図3(a)),もう一方は提案装置を付与しないマイクロ風車(図3(b))である。なお,比較の為,何れの風車も受風面積を同一とした。 

 図4に実際の風速データに基づいたそれぞれの風車のタービン出力計算値Ptを示す。
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 提案する装置は集風効果のあるディフューザにブレードに作用する風向を変化させることのできる可変ピッチガイドベーンを付与した装置となっている。図1に提案する可変ピッチガイドベーン付集風装置の構成を示す。提案装置は図示のようにディフューザの前面に可変ピッチガイドベーンを取り付けることにより,ブレード部に流入する風速や風向を変化させる構造となっている。同装置を用いることにより,集風効果に加えてブレードに作用する風向を変化させ,相対的に風車ブレードのピッチ角を変化させることが可能になるものと考えられる。



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 本研究では,提案した可変ピッチガイドベーン付集風装置を付与した風車と付与しない風車の出力比較を行った。その結果,2倍程度の出力の向上が期待できることなどが判明した。

図4.実際の風速に対するタービン出力

 本研究では,住宅地に設置されているマイクロ風力発電装置の特性改善法として可変ピッチガイドベーン付集風装置を提案し,同装置の特性改善効果について検討を行う。
図より,提案装置を設けた場合,風速の上昇,カットイン風速の低下,出力係数最大値の向上がなされるため,タービン出力が増加していることがわかる。平均タービン出力では2倍程度の向上があることから,提案した可変ピッチガイドベーン付集風装置の有用であることが明らかとなった。

図3 特性比較に用いた風車

図1.提案する可変ピッチガイドベーン付集風装置の構成

図2.ガイドベーン角度θgに対する出力係数最大値Cpmax並びに始動風速Vw-cutin

 可変ピッチガイドベーンの効果について供試装置を製作し,実験的検討を行った。図2はその結果で,ガイドベーン角度θgに対する出力係数最大値Cpmax並びに始動風速Vw-cutinを示したものである。図より,ガイドベーン角度θgを大きくすることにより始動風速Vw-cutinが低下すること,出力係数最大値Cpmaxは適切なガイドベーン角度θgを設けることにより向上することなどが判明した。

実験結果を踏まえて試作一号機を製作した。
供試装置からの改善点として
・マグナス効果を増大させるために
 ブレードを三本に増やし,
 ブレードの径を大きくした。(図5)
・内部シャフトの損失をなくすために,
 ブレード駆動用モータを防水加工し下部に配置した。