近年,燃料の枯渇問題や環境問題等の観点から「再生可能エネルギー」の重要性が高まっている。本研究室では「海洋再生可能エネルギー」を中心に自然エネルギーを利用した発電方法について日夜研究を行っている。


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 小型風車に用いられる一般的なヨー制御の形式はアップウインド形式とダウンウインド形式に大別される。この二つを風洞実験により検討を行ったところ,ダウンウインド形式においては風上に対して正対するものの風車の前に壁を置き乱流を発生させると直ちに別の方向を向いてしまうことが明らかとなった。それに対し,アップウインド形式では多少の乱流に対しても問題なく風上に対して正対することが判明した。



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 本研究室では始動性に優れ,高効率運転が可能な可変翼枚数風力発電システムを提案し,基本的な特性を明らかにした。図1に装置の外観を示す。
 本研究では可変翼枚数風力発電システムのヨー制御について種々な検討を行う。
 実験的検討から,アップウインド形式のヨー制御を用いることにより可変翼枚数風車を風上に正対させることが可能であることが判明した。しかし,実際に運用するためには過回転を防ぐ安全装置が必要となる。そこで,ヨー制御機構に過回転を抑制する機構を付与した装置を提案する。提案する装置の構成を図2に示す。
 本システムは固定翼,コイル(電磁石),電磁石により駆動する可動翼で構成される。動作原理は以下の通りである。まず,風車が高速回転になると,通常A,Bに接続されていたスイッチがA',B'に切り替わる。その結果,負荷に供給されていた発電機の電力がコイルに供給される。これにより発電機が短絡され,電気的なブレーキがかかると供に,コイルが磁化され電磁石となり,可動翼が引き寄せられる。これにより,風車を風上とは別の方向に向けることが可能となる。
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研究概要
ヨー制御の形式
製作したヨー機構について
 図1 可変翼枚数風車
図2 安全装置を備えたヨー機構
Studies on the Yaw Control System for the Wind Turbine Generator System

図3 動作実験

(画像をクリックすると動画が再生されます。サーバー負荷低減のためダウンロードしてからご覧ください。)

 前述したヨー制御を製作し,本装置の有用性について実験的検討を行った。その結果,風車が高速回転をしている際に図2(c)のスイッチをA',B'にきりかえたところ,電気的なブレーキならびに可動翼が動作し,風車の向きを変えつつ回転数を減少させることに成功した。動作実験の様子を図3に示す。

製作した供試装置による実験的検討