近年,燃料の枯渇問題や環境問題等の観点から「再生可能エネルギー」の重要性が高まっている。本研究室では「海洋再生可能エネルギー」を中心に自然エネルギーを利用した発電方法について日夜研究を行っている。


 本研究室では新しいタイプの波力発電装置を提案し,現在様々な検討を行っている。そこで,本研究では供試波力発電装置の実験用装置として,これに必要となる波を造り出すことのできる造波装置及び造波水槽を開発する。
 実際の海上における通常時の波が500㎜程度となることから,本装置ではその1/10となる振幅50㎜の波の発生を目標とした。
 図1に製作したシステムの外観を示す。本装置は図示のように造波装置と水槽とで構成される。本システムの造波装置にはプランジャー式と呼ばれる浮体の上下運動により波を発生する方法を採用し,浮体(フロート)の形状については波を押し出す面を平らな形状とした。



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研究概要
製作した装置について

 先ず,水位が100㎜となるように水を張った実験用水槽に造波装置を設置し,本装置がどのような波を発生できるか実験した。造波装置を駆動させると,フロートによって水が押され進行波が発生することを確認した。次いで上下速度を変えた場合の波の振幅を測定した。図2に示すピンクの破線が水位100㎜の振幅特性である。同特性よりフロートの上下速度が速いほど波の振幅は大きくなるがばらつきが多く,制御が困難なことがわかる。これは,造波装置によって発生した進行波が,造波装置と相対する壁面に当たり反射波となって新たに発生した進行波と重なり合い,合成波が生じるためである。そこで,反射波を除去することのできる消波装置が必要となることがわかった。

消波装置を用いた実験
 波の一部を透過させるような消波装置を設置し,同様の実験を行った。このときの振幅特性を図2の実線(青及び緑)で示す。図より,フロートの上下速度に比例して波の振幅は高くなるが,その傾きは水位が高いほど大きくなっており,上下速度が90rpmの時,目標値に近い値を得ることができた。

図2 フロート速度に対する波の振幅特性

図1 制作した造波装置の概観

造波実験
Development of a Compact Wave Basin with Wave Maker
波力発電実験用の造波装置の開発

図3 消波装置無し

図4 消波装置有り

(画像をクリックすると動画が再生されます。サーバー負荷低減のためダウンロードしてからご覧ください。)

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