近年,燃料の枯渇問題や環境問題等の観点から「再生可能エネルギー」の重要性が高まっている。本研究室では「海洋再生可能エネルギー」を中心に自然エネルギーを利用した発電方法について日夜研究を行っている。


実用可変翼枚数風力発電装置の開発

可変翼が固定翼に追いつき3枚翼に変形

固定翼が減速

発電機の負荷を制御

6枚翼を維持

始動トルク=バネの反力

図2 可変機構

(b)

(a)

 試作1号機の可変機構は負荷を重負荷にしなければ6枚翼から3枚翼への変形が行なわれなかった。また,図2(a)のようにバネの材質がプラスチックであった為,耐久性に不安があった。
 そこで,図2(b)のようにバネの機構を渦巻バネ方式とし材料をリン青銅板にした。これにより,風速が遅くても変形がスムーズに行なえるようになり,耐久性の不安も解消された。

図3 ギヤ

(b)

(a)

 風車を実用化するにあたり運転時の騒音も大きな問題となる。試作1号機は図3(a)のように金属ギヤを使用していた為,風車駆動時に接触部分から激しい金属音が発生し問題だった。
 そこで,図3(b)のようにギヤをプラスチック製へと変更した。これにより,接触音が大幅に低減された。

図5 実験台

(b)

(a)

実験台
 試作1号機で実験をする際に風車を固定していた実験台は市販のコンクリートブロックに軸を差込み,回転しないようにくさびとガムテープで固定していた為,実験中の振動で緩んでしまうことがあった。
 そこで,新たに大きな板で台を製作し台と軸をボルトで固定した。これにより,確実に固定することができた。

 小型風車は高い効率だけでなく,高い始動性も望まれている。一般にプロペラ型風車は翼枚数の少ないものは効率が高く,翼枚数の多いものは始動性に優れている。
 本研究室ではこれらの二つの特性を兼備する「可変翼枚数風力発電装置」を提案し試作機を用いた様々な実験によりシステム効率,動作範囲並びにシステムの最大電力点追従制御法などについて検討を行なった。
 本年度はこれまでの研究成果を基に同風力発電システムに改良を加え,安全性や信頼性を向上させた実用可変翼枚数風力発電装置の開発を行なっている。




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研究概要

※映像の風車は改良前のものです。

始動時

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図6 動作実験

ナセルの改良

・制御回路,計測器の搭載
・配線用ブラシの取り付け
・防水,防塵対策を施す

試作2号機の諸特性解析

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始動後

・特性,Cp曲線の算出

図1 可変動作

図4 翼

(b)

(a)

翼の製作
 試作1号機で利用した翼は一般的な翼の形状となっており,変形時に前後の翼が完全に重ならないという問題があった。
 そこで、パイプの外側と内側が同一形状なのを利用し,これをカットして本風車専用の翼を製作した。
 3枚翼に変形した際に完全に重なるようにはなったが,翼個々の重量が増加してしまった為,始動性が低下してしまった。現在は軽くて丈夫な別の材料を模索している。