2012.07.29~31
2012 W.G.C. Solar & FC Car Rallyeに参戦しました
7月29日~31日まで秋田の大潟村ソーラースポーツラインで開催されたWorld Green Challenge 2012に参戦しました。
ソーラースポーツラインとは、1周が25kmの直線が主な細長い形のコースで、世界唯一のソーラーカー専用の周回コースです。今年度は大会が20周年記念ということで、歴代のソーラーカーの展示が行われたり、ソーラーカーバイシクルもレースに同日開催しました。大会の形式は3日間で5時間,11時間,8時間の合計24時間で行われた耐久レースに加えて、各日ごとに前日までに申請する周回数とタイムとの実際の走行と差を競うグリーンラリーも行われました。 |
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今年度はソーラーカーの"電装システムの構成"と"計測システム"を一新して大会に臨みました。
従来はカウルやシャーシに沿って配線しており、パワーラインの集合部分や補器系系は座席後部に収めていました。今回はユニット化し、容易に車体から電装系をユニットだけで取り外せる様にしました。
旧電装システム 新電装システム
これには、充電と車体整備を別々の場所行えるようにし、作業性を向上させることが目的です。
今年度のドライバーは赤坂(5EE)、 吉田(5EE)、佐藤(4ME)、斉藤先生の4人でレースに挑戦します。ドライバーはこれまでに何年も運転してきた専攻科の先輩が卒業してしまったので、運転経験があるドライバーは吉田と斉藤先生のみです。
※ドライバーの文字色はラップタイムのグラフの色分けに対応しています
7月27日【会場到着】
授業が終わってから学校を出発。夜に宿泊所の最寄駅に到着し、その足ですぐに会場に向かいました。
トラックから必要な荷物を降ろしてピットを設営し、ソーラーカーの作業に取り掛かります。主に行う作業は電装系で、ユニットごとに配線を完了させてきたので計測器を組み込むとともに車両に搭載する作業を進めます。 |
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7月28日【入村手続・車両整備・車検】
夜が明けても問題が解決できませんでした。眠い目をこすりながら配線図と実物とを繰り返し見比べます。モータが回転しない問題については操作信号系のコネクタへの配線ミスが判明。信号系を集合しているターミナルユニット内で配線を間違えていることが原因でした。
車検には電源投入が間に合わなかったため、電源を入れて自走する必要がある項目以外はチェックを受けて仮合格をもらいました。夜には下級生が中心の後発隊と合流し、レースに向けたピットでの生活環境の準備をはじめました。担当者は引き続きピットに泊まり込みで作業を続行します。
7月29日【レース1日目(14:00~19:00)】
徹夜で作業したものの補器系の問題が解決しないままレース日を迎えることになりました。
昨日未検査だった箇所の車検は早朝に自走でのブレーキテストを受け、車検合格をいただきました。
第一ドライバーは運転経験のある吉田で、車両の走行能力の確認をするためにまずは無理をせずで1周のみ周回しました。 |
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システムをくみ上げて全体を機能させることを難しさ、特に初歩的なミスが結果として全体のシステムを動かすことができない事態を招くということを実体験し、非常に悔しい思いをした一日でした。
7月30日【レース2日目(8:00~19:00)】
2日目は電装系の問題も全て解決し、遅ればせながらもレースをする体制が整いました。機械系、電装系の状態を確認するため、第一ドライバーは斉藤先生。太陽電池による発電量の様子を見ながら32分台でラップを繰り返します。 |
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1日目を走行できなかったハンディはまだありますがその分バッテリの残量があります。そこを生かして、なんとか先行するチームと同一周回になることができました。しかし、オーバータイムポイントによって順位は下なので最終日にはペースを上げて一周以上早く走る必要がありました。
7月31日【レース3日目(8:00~19:00)】
最終日ということでバッテリ残量を全て使いきって順位を一つでもあげたいところです。そのためには朝の充電も重要なので、5時前の段階で充電準備を完了して一分一秒を惜しんで充電しました。その甲斐あって、スタートの時点では7割程度から8割程度にまで残量を戻すことができました。 |
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2日目に比べて発電量が少ないなかでもドライバーが無駄のない走りに専念してくれたおかげでバッテリ残量も温存することができました。残り3時間の時点でゴールまでの予想発電量とバッテリ残量から試算した結果、これまでよりも4分近く早いタイムで走行が可能であると判断できました。そこで、最終ドライバーの吉田はこれまで温存してきたエネルギーを全て使い尽くしてゴールすようにペースを上げて走行しました。ファステストラップに3秒及ばないものの26分55秒で周回することもできました。
最終周では時間を調整をし、申告タイムに"+3.882秒"でゴールラインを通過。終わってみればこの日の最多周回数14周を走ることができました。
3日間の合計周回数はを含め32周※、総合順位6位、アドベンチャークラスで3位、3日目のグリーンラリー部門では優勝という結果を収めることができました。
※実際は33周ですが、出場したアドベンチャークラスではクラス間での性能差調整のため規程により実際の周回から-1周されることになっています。
大会を終えて
今回の大会は、最初から不安だらけのスタートだったので無事に走り切れて安堵しましたが、それ以上に大会以前にソーラーカーを完成させて十分な準備をすることができなかった事に悔しさを感じています。特に同クラスの2位のチームとのラップ差は2周で、もし1日目に走行できていたかと考えると1日目のロスが悔やまれます。
また、メンバーの期限厳守に対する責任感、危機感の低さなど、以前から指摘されていた個所が大会の1日目の大きなロスとして現れたようにも思います。作業や作業以外の場所においても、課題を発見できたように思います。
これからは太陽電池の発電量が初期性能から2割以上も落ちてきていることからどこまで周回数を伸ばすことができるかはわかりませんが、今後も少しでも成績を伸ばしていきたいと思います。
また、チーム運営の年間を通しての活動方法も見直して組織力を高めていきたいと思います。
謝辞
大会参加に際して協力していただいた教職員・保護者・企業の皆様に深くお礼申し上げます。
大会に参加した学生
本科 5年生
赤坂 郁実 | ドライバー、通信 |
吉田 爽仁 | ドライバー、MPPT |
本科 4年生
井藤 一輝 | ピットリーダー |
小笠原 悠希 | タイムキーパー |
木村 建太 | 足廻り |
佐藤 駿 | ドライバー、足廻り、車載計測器 |
立花 未砂季 | レースマネジメント、バッテリ |
福所 勇人 | 電装システム |
南 裕太 | mppt、太陽電池 |
本科 3年生
浅野 福太郎 | バッテリ、電装システム |
坂本 拓也 | 通信 |
本科 2年生
小山 輝 | サポート |
本科 1年生
川﨑 智樹 | 大会ボランティア、サポート |
小寺 裕也 | 大会ボランティア、サポート |
佐藤 幸 | 大会ボランティア、サポート |
中村 賢都 | 大会ボランティア、サポート |
森 勇太 | 大会ボランティア、サポート |
引率教員
斉藤 純 | |
織田 豊一 |
