第37回 電気設備学会全国大会 発表奨励賞

受賞論文:移動体への非接触給電における磁束の指向性に関する検討

受賞者:稲川 遼(専攻科 2年)

受賞日:2019年12月6日

 

~論文要旨~

 近年、電気自動車の普及に伴い、走行距離の問題が指摘されている。電気自動車はガソリン車に比べて走行距離が短く長距離移動に不向きである。そこで注目されているのが非接触給電技術である。例として高速道路等を走行している電気自動車に非接触給電を行うことで、バッテリーの不足分を補うことが可能となる。移動体への非接触給電では、移動体の走行するコースにより一次側と二次側の結合強度が変動し、磁束密度の高低差が発生する問題が存在する。筆者らは、本問題に対して隣接する送電コイルの形状に着目した。送電コイルの形状を四角形や平行四辺形といった形状にすることで送電コイルの切り替わり(境界面)の際に発生する電力低下(瞬低)を改善可能か検討した結果、抑制ができることが判明した。また、先行研究では、送受電コイルにサイズ差を与え、走行するコースによる給電波形への影響を測定した。その結果、銅線直上における給電電力が大きく低下することが判明した。したがって、磁束密度分布の高低差が発生しており、改善が必要といえる。

 本稿では、銅線直上における給電電力低下の原因の解明を行い、コイル形状による改善法を提案する。

 

~受賞者のひとこと~

 卒業も間近となった今、三年間の研究活動の中で受賞という形で1つ成果を残すことができて大変うれしく思います。研究活動をあらゆる角度から応援・支えてくださった先生方や学友のみんなには感謝の気持ちでいっぱいです。今後もこの貴重な経験を活かし、より一層の研鑽に励むとともに賞に恥じない学生・社会人になりたいと思います。

2020年04月29日