技術者像(A):
幅広い教養の基に多面的に物事をとらえ、技術者としての使命を自覚し、行動できるチャレンジ精神溢れる技術者
達成するための学習・教育到達目標(A-1)〜(A-4)
- (A-1)健康や身体についての理解を深め、健康な心身を培うことができる
- (A-2)他者の多様性を認識し、自分の考えを深めることができる
- (A-3)技術に関係する歴史を踏まえて、技術者としての社会的な責任と使命(技術者倫理)について理解できる
- (A-4)技術者として常に使い手の立場に立って考えることができる
[最終更新日: 2026/06/30]
JABEEの目的や本校教育プログラムの目標などを紹介します。
修了生は、その修了が技術士第一次試験の合格と同等であると見なされ、技術士補となる資格が得られます。その後、(1)技術士補として登録し指導技術士の下で4年以上の実務経験を積むか、(2)優れた指導技術者の監督下で4年以上の実務経験を積むか、(3)7年以上の実務経験を積めば、技術士になるための技術士第二次試験を受験することができます。
日本技術者教育認定機構(JABEE : Japan Accreditation Board for Engineering Education、1999年11月19日設立)は、教育の質を高めることを通じてわが国の技術者教育の国際的な同等性を確保し、国際的に通用する技術者育成の基盤を担うことを通じて社会と産業の発展に寄与することを目的として、技術者教育プログラムの審査・認定を行う非政府団体です。
JABEEは、高等教育機関における技術者教育プログラムを認定するために、次の認定基準を設けて、根拠となる資料審査や実地審査を行います。
JABEEの審査によって認定された教育プログラムを修了した修了生は、国際的に通用する技術者として認められます。 →「修了生のメリット」
今日のものつくりには地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養が必要です。また、技術者には作られたものが社会や自然にどのように影響を及ぼすか、また、その効果についても考える能力が求められています。
これに応えるために、本校では、準学士課程の4年次から専攻科2年次までの一貫教育プログラム「生産システム工学」を設定し、国際化にも対応できる技術者教育を実施しています。
本プログラムは、最も得意とする専門分野の知識と能力を身につけ、さらに異なる技術分野を理解し、それらの分野の知識を複合融合させる能力を身につけることを目的としています。具体的には、準学士課程で開設されている機械電子工学、電気工学、情報工学の1つの専門分野を学習し、さらに他専門分野の科目も学習します。
本プログラムが世界に通ずる技術者教育であることを認めてもらうため、平成26年度にJABEEの審査を受ける予定です。受審分野は「工学(融合複合・新領域)関連分野」です。
本校では設立の当初から、創立者ヨハネ・ボスコの精神に基づき、キリスト教精神に基づく人間観を持った善き職業人を養成することを目標としています。キリスト教精神とは、忍耐、寛容、ゆるし、謙遜、誠実を意味しています。
それは技術を通して人類社会に貢献できる人間を育てることであり、 社会の華やかな舞台だけではなく、聖書の言葉である「地の塩・世の光」に象徴される見えないところで大地を支える岩塩のように、あるいは周りを照らす灯台の光のように、社会を支え、人々を幸せにする技術者になることを勧めています。
この本校の伝統に基づき、次に示す(A)〜(D)の4つの技術者像と、各々の像について、それを達成するための学習・教育到達目標を定めています。
幅広い教養の基に多面的に物事をとらえ、技術者としての使命を自覚し、行動できるチャレンジ精神溢れる技術者
専門分野について、その基礎理論および原理を理解し、自主的継続的に学ぶことができる技術者
コミュニケーション能力とプレゼンテーション能力を身につけた国際社会で活躍できる技術者
他者と協力して問題解決に当たることができる技術者
本プログラムの学習・教育到達目標は、JABEE基準1の要件(a)〜(i)の各内容を満たすように具体化したものです。
以下に、各要件と学習・教育到達目標との関連を説明します。
学習・到達目標(A-2)により、他者の多様性を認識し、自分とは異なる価値観や考え方を理解することは、多面的に物事を捉えるための基礎となるため、様々な文化や価値観に触れながら自らの考えを深めることで、地球的視点から物事を考える能力とその素養が養われます。
また学習・到達目標(A-3)により、多面的に物事を考えるために必要なことの1つとして、あらゆる事態を想定して考えることが有効であり、過去の技術に関する事故等の検討は、これらの能力の涵養につながります。
学習・到達目標(A-3)により、自国ならびに他国の歴史や文化を学び、とりわけ技術に関する過去の事故等の事例も学ぶことで、技術が社会や自然に対する影響や効果を理解することができ、ひいては技術者の社会的責任についての理解も深まります。
また学習・到達目標(A-4)により、技術者として常に使い手の立場に立って考えることは、技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解することにつながります。また、利用者の安全や利便性を考慮したものづくりを行うことで、技術者が社会に対して負う責任を理解することができます。
学習・到達目標(B-1)により、数学、自然科学および情報技術に関する基礎知識を身につけ、それらを用いて応用問題に挑戦し ていけば、自ずと応用能力が身についてきます。
工学(融合複合・新領域)及び関連のエンジニアリング分野における「専門的知識とそれらを応用する能力」(水準を含む)として、以下の(1)〜(4)が要求されています。
学習・到達目標(B-2)により、本校の専門工学は工学(融合複合)です。本科(準学士過程)では電気工学、機械電子工学、情報工学の内の2つの専門分野を学習して知識と能力を身につけ、専攻科(学士課程)では他分野の科目の学習により異なる技術分野を理解し、それらの分野の知識を融合複合させる能力を身につけさせることです。本科における専門分野の基礎知識を身につけることが、専門工学の知識と能力を身につける初めの段階となります。
学習・到達目標(B-3)により、本校の専門工学は工学(融合複合)です。本科(準学士過程)では電気工学、機械電子工学、情報工学の内の2つの専門分野を学習して知識と能力を身につけ、専攻科(学士課程)では他分野の科目の学習により異なる技術分野を理解し、それらの分野の知識を融合複合させる能力を身につけさせることです。専攻科において異なる技術分野を理解し、自分の専攻した専門分野の知識と複合する能力を身につけることで、専門工学の知識と能力が養成されます。
学習・到達目標(D-2)により、問題解決のための計画立案、実行および結果の評価を行う過程では、高額の基礎的な知識・技術を活用しながら実験や検証を進めることが求められるため、これらの活動を通して、実験を計画・遂行し、得られた結果を解析・考察し、説明する能力が養われます。
学習・到達目標(B-3)により、異なる技術分野を理解し、自分の専攻した専門分野の知識と複合する能力を身につけることで、創造性を発揮して課題を探求し、組み立て、解決する能力が養われます。
学習・到達目標(D-1)により、習得した専門知識を問題解決の過程で応用する学習を通して、実務上で発生する様々な課題に対して適切な解決策を検討し、実行する能力が養われます。これにより、技術者が経験する実務上の問題点に対応する基礎的な能力を身につけることができます。
学習・到達目標(D-1)により、問題解決のために習得した専門知識を応用し、種々の科学、技術および情報を活用することで、社会の要求を満たす製品やシステムを構想する能力が養われます。これにより、社会の要求を解決するためのデザイン能力を身につけることができます。
また学習・到達目標(A-4)により、使い手の要求や社会的要請を理解し、それらを満足する製品やシステムを構想することは、社会の要求を解決するためのデザイン能力の基礎となります。常に利用者の立場から考えることで、より適切な設計・提案を行う能力が養われます。
学習・到達目標(C-1)により、日本語および特定の外国語による読み書きの能力を身につけることは、技術情報や専門文献を正確に理解し、論理的に記述するための基礎となるため、これらの学習を通して、論理的な記述力を中心としたコミュニケーション能力が養われます。
また学習・到達目標(C-2)により、日本語および特定の外国語を用いて他者の意見を理解し、自らの考えを適切に伝える学習を通して、口頭発表力や討議能力が養われます。また、多様な考え方を持つ人々との対話を経験することで、実践的なコミュニケーション能力が身につきます。
学習・到達目標(B-1)により、数学、自然科学および情報技術に関する基礎知識は、専門分野の発展に応じて継続的に学び続けるための基盤となります。これらの基礎知識を活用して応用問題に挑戦する過程を通して、自ら課題を発見し、主体的かつ継続的に学習する能力が養われます。
学習・到達目標(D-2)により、問題解決のための計画・実行方法を立案し、得られた結果を評価する過程を通して、PDCAサイクルを経験することができます。これにより、与えられた制約条件の下で計画的に仕事を進め、その成果をまとめる能力が養われます。
学習・到達目標(A-1)により、健康な体や健全な精神は、仕事をする上で全ての基本ですが、とりわけチームで仕事をする場合に必要となる資質であるため、団体競技を中心としたスポーツの実践を通して、チームワークの重要性を学ぶことができ、チームで仕事をする能力が養われます。
また学習・到達目標(D-3)により、他者と適切なコミュニケーションを図りながら共同作業を進める経験を通して、役割分担や相互理解の重要性を学ぶことができます。これにより、異なる専門性や価値観を持つ人々と協力しながら、チームで仕事を進める能力が養われます。
以上のJABEE要件(a)〜(i)と学習・教育到達目標との関係性を表1にまとめて示します。
また各々の学習・教育到達目標から見たときのJABEE要件(a)〜(i)との関連性について、別表1に示します。
全てのJABEE要件(a)〜(i)と本プログラムの学習・教育到達目標とが関連づけられていることが分かります。このことから、本プログラムはJABEE要件を具体化したものであると言えます。
本校の「生産システムエ学」教育プログラムは、電気工学科、機械電子工学科及び情報工学科準学士課程の4・5年次必修科目(選択必修科目を含む)と専攻科の開講科目から構成されています。したがって、教育プログラムは準学士課程の4年次から始まりますが、教育プログラム履修者の決定は本校専攻科に入学した時点となり、専攻科学生は全員が「生産システムエ学」教育プログラムの履修者となります。
本校専攻科に入学するためには、入学前に本校準学士課程(電気工学科、機械電子工学科および情報工学科)の4・5年次の教育と同等な内容の教育を受けている必要があります。そのため本校専攻科に入学する前に、この点についての審査があります。
本校における「生産システムエ学」教育プログラムを修了するためには、以下に挙げる4つの修了要件を全て満たすことが必要です。
本校専攻科の修了要件は、「専攻科において62単位以上を習得すること」です。この62単位には必修科目、選択科目および他大学等での履修科目が含まれますが、「必修科目26単位と選択科目30単位以上」は必ず含まれていなければなりません。
本プログラムの課程、すなわち準学士課程4年~専攻科2年の4年間で、124単位以上修得しなければなりません。既述のように専攻科で62単位以上を修得するので、残りの単位は準学士課程4・5年で修得します。準学士課程4・5年生は、この要件に留意しながら単位を修得して下さい。専攻科1・2年生は、自身が4・5年で修得した単位数を確認して下さい。
この要件は、本校専攻科の「T字教育」を実践し、複合領域の知識を得るためのものです。この要件に十分留意して専攻科の選択必修科目を履修して下さい。また、他分野に関する科目として履修する学生に対しては、担当教員より自己学習の内容について指示があるので、臆することなく安心して履修してください。
この要件は、複合領域の知識を得るためのものです。この要件に十分留意して専攻科の選択必修科目を履修して下さい。
1963年に「育英高等専門学校」が設立され、その中に電気工学科、印刷工学科、工業意匠学科の3学科を設置した。
1967年に校名を「育英工業高等専門学校」に改称した。
学生数の増加に伴い電気工学科の中に電気工学コース、電子工学コース、情報工学コースの3コースを設けたが、更なる学生数の増加に伴い1990年に電気工学科から分離する形で、新たに電子工学科と情報工学科を設置し、5学科体制とした。
2001年に専攻科「生産システム工学」専攻を設置した。
2005年に東京都杉並区より町田市に移転し、電気工学科、電子工学科、情報工学科、デザイン学科の4学科体制とし、校名も「サレジオ工業高等専門学校」と改称した。
2008年には、電子制御技術の進展を取り入れたメカトロニクス教育を行っている実態に合わせるため、電子工学科を機械電子工学科に改称し現在に至る。
JABEEについては、育成する技術者像と「生産システム工学」教育プログラムを2010年4月に制定し、2011年度からこの教育プログラムを始動した。
これに先立ち、一期生となる対象学生には前年度11月にプログラムの説明を行い(当時本科3年生)、教職員を含めて公開した。この一期目の学生が、2014年度の専攻科修了(予定)生である。